ネルのフィルターは一度湯を通し、軽く絞って水気を取ります。さらにタオルで包み、上からたたきながら水気を取り、シワを伸ばして形を整えます。
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ネルドリップ
なめらかな口当たりが特長のネルドリップは、「最高の抽出方法」と言われています。
粗挽きのコーヒー豆を贅沢に使って、口当たりのいいコーヒーを抽出できれば他店との差別化も図れます。
コーヒー豆:粗挽/15g
湯量:160ml
ネルの水気を十分に切り、準備する。
フィルターに分量の粉を入れる。
一回目の注湯で蒸らし作業をするとき、湯が表面を転がってフィルターの端に偏ってしまい、全体にしみ込みにくくなります。そこで粉の中心に竹ベラなどで窪みを入れると、粉にお湯が均等にしみ込みやすくなり、最少量の湯で蒸らす事ができます。
静かに中心から湯を注ぎ、蒸らす。(湯の注ぎ方)
中心部分を主体に |
中心から円を広げて「の」を描く。 |
広げた円はすぐ中心にもどす。 |
粉の中心からゆっくりと「の」の字の外周を描くように円を広げていきます。円は2~3周描いたら、また中心へと軸を主体にして注ぎます。手前の位置(A)で注ぐ場合と(B)の位置で注ぐ場合とでは湯にかかる加速度が違うため、(B)の位置にきたときにポットを引く感覚で注湯します。
20秒ほど蒸らしてから、次の注湯を行う。
十分に湯を含んで盛り上がった粉の中央から、1回目と同様に注湯します。さらに泡の山が沈んでしまわないうちに、3回目の湯を注ぎたします。この時ネルのフィルターに直接湯がかからないように注意して注ぎましょう。(10秒蒸らすのは一杯だての場合)
抽出が完成する。
湯を注ぐスピードが早いとコーヒーは薄く、ゆっくり注ぐと濃く抽出されます。
【ネル(布)フィルターの取扱い方と保存方法】
- 新しいネルフィルターはまだ糊が付いている場合が多いので、水洗いをしてよく落としておきます。それからコーヒーのかすを入れ、20分くらい煮沸して、ネルフィルターをなじませます。
- 使用後のネルには、コーヒーの脂肪分が付着しています。そのままにしておくと、空気に触れて酸化し、嫌な臭いがネルにつきます。使用後、20分くらい煮沸し、冷水に浸して冷蔵庫に保管すると良いでしょう。
【ポットについて】
- ポットの水差し口が緩やかに下を向いている形のものが理想的。ポットを傾けることにより、湯が垂直に近い角度でフィルター内のコーヒーの粉に注湯できます。
- 人差し指を支点とし、中指、薬指、小指の4本で、把手の上端から吊り上げるようにして持ちます。
ペーパードリップ
フィルターが使い捨てで、比較的取り扱いが簡単なペーパードリップですが抽出の仕方によっては、微妙に味の変化が出てきます。
ここでは、誰もが手軽にペーパードリップを使って安定的に抽出できる方法をご紹介します。
コーヒー豆:粗挽/12g
湯量:160ml
ペーパーフィルターをセットする。
底のシール部分を手前に折る |
側面シール部分は後方に折る |
指を三本添えて、ペーパーフィルターをドリッパーに押しつける。 |
ペーパーフィルターを縦横のシール(接着部)に沿って各々違う向きに折ると紙の繊維がニ方向に引っ張られて袋状に重なった二枚が自然に開く形になります。
コーヒーの粉を入れる。
コーヒーの粉は平らに入れます。ドリッパーのサイズは杯数に合った大きさのものを選びましょう。ドリッパーのサイズに対するコーヒー粉は約1/3位が理想です。一杯12gの場合1人用のか2人用ドリッパーを、4杯35gの場合4人用のドリッパーを選びます。
一回目の注湯を行う。
この注湯が一番重要です。粉全体に湯をしみ込ませる最少量で、約20秒間、蒸らします。注湯量はサーバー内に抽出液が数滴落ちる程度です。
2回目の注湯を行う。
中心部分を主体に |
中心から円を広げて「の」を描く。 |
広げた円はすぐ中心にもどす。 |
残りの湯を、コーヒーの粉全体に行き渡るよう、静かに円を描きながら注ぎます。
抽出が完了する。
最後の注湯を終えたとき、残りかすの状態はドリッパーの上端から1.5cm程度残っているようにします。指でかすをさわると、ふちと表面が微粉と泡、底が粗い粉の状態になっていれば、理想的な抽出が行われたことを表しています。
サイフォン
華やかで演出効果の高いサイフォン。
抽出中もお客様を飽きさせることなく、お楽しみいただけます。
コーヒー豆:粗挽/15g
湯量:160ml
抽出時間:30秒
フラスコ内のお湯が沸騰した状態で
コーヒー粉を入れたロートを差し込む。
フラスコからロートへは、蒸気圧により上昇し、その際10℃ぐらい温度が低下します。ロート内の温度は88~90℃くらいが良いので、必ず沸騰した時点でロートを垂直に差し込みましょう。
ロート内の湯と粉を攪拌し、20秒~30秒放置する。
一回目の撹拌は、コーヒーの粉に含まれるガスを抜き、お湯とコーヒーをなじませるためです。撹拌するときは、竹べらを一定方向に動かし、円を書くように撹拌します。
火から外し、2回目の攪拌を行い、
ロート内の抽出液が、フラスコ内に落下する。
二回目の撹拌はスムーズなろ過を促すためです。ですので、フラスコ内にコーヒーが落ち始める前に二回目の撹拌は終了させます。
抽出状態
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泡がほとんどでない。 |
微粉の状態は層が薄い。 |
抽出は気泡に注意しながら、行って下さい。火にかけるうち、最初は茶色だった表面の泡が白っぽく変化していきます。やや白く細やかな泡になって、泡に切れ目が出る前に火を外します。
【湯をおどらせないよう注意を】
- ロート内で湯が踊ったりするのは、極端に火加減が強かったり、ロートにフィルターが密着しておらず、空間ができた部分に湯が集中する事が原因。味に悪影響を及ぼすので、注意しましょう。
【バックロートは厳禁】
- 抽出過程の段階で火加減等の要因により、いったんフラスコに落下したコーヒー抽出液をもう一度ロートに上昇させることは絶対にやめましょう。低温抽出されたものを再抽出することは、コーヒーの味に影響があり、苦味、エグ味が出てしまいます。