カフェの定義とは?喫茶店との違いをイメージと法律からご紹介

カフェの定義とは?喫茶店との違いをイメージと法律からご紹介

投稿日: 2019.02.14 / 更新日: 2019.02.14

カフェを開業しよう、と思った際、似たような業種である喫茶店とどう違うのか、また、どちらの方が自分の開きたいお店に近いのかは悩みどころです。そこで、一般的なカフェと喫茶店のイメージ、法律上の違いについてご紹介します。

喫茶店・カフェの歴史

カフェや喫茶店の定義を紹介する前に、まずは日本の喫茶店・カフェ文化がどのように生まれ、進化してきたのかを紹介したいと思います。

日本のカフェの発祥は、1888年(明治21年)にオープンした「可否茶館」と言われ、「コーヒーを飲みながら知識を吸収し、文化交流する場」として開業しました。

その後、「カフェ・プランタン」「カフェ・パウリスタ」「カフェ―・ライオン」などが開業し、それぞれの独自性や立ち位置をもとに日本におけるカフェ創成期を作り、その後数多くのカフェが広がっていきます。

当時のカフェは純粋にコーヒーを楽しむ「純喫茶」と、女性給仕が接客サービスを行う「特殊喫茶」が主体で、最盛期には東京で合計1万店を超える店舗が営業していたと言われています。

その後戦争に突入し、コーヒー豆の輸入統制から多くのカフェが廃業に追い込まれますが、戦後の輸入再開より再び盛り上がりを見せ、現在へと歴史が受け継がれています。

特に戦後の音楽系喫茶は「ジャズ喫茶」や「シャンソン喫茶」、「歌声喫茶」などジャンルも幅広く、音楽を身近に聞ける場所として人気を博した歴史があります。
また、独自の喫茶文化が発展した名古屋では1970年代に「漫画喫茶」も誕生しています。

そして、1980年代には高度経済成長期の日本を背景に、忙しいビジネスマンのスキマ時間にあわせて発展したセルフサービス式のコーヒー店の台頭と同時に、商談や仕事の合間にゆっくり時間を使うことのできる高級喫茶店が広がっていきます。

現在の明るくて新しい「カフェ」のイメージは、1994年にカフェの本場・パリをお手本にしたオープンカフェが流行したことから広まりました。2000年頃にはコーヒー豆のオリジナルロースティングが売りの、開放的で明るいアメリカ西海岸からのカフェスタイルのブームとともに、さまざまなチェーン店が生まれ、現在に至ります。

「カフェ」のイメージ

「カフェ」という言葉から連想されるのは、以下のようなものではないでしょうか。

  • ・店内がおしゃれで明るい
  • ・なんとなく新しい
  • ・BGMはボサノヴァやスムースジャズなどの明るいカフェミュージック
  • ・テラス席があり、開放感を楽しめる
  • ・食事はサンドウィッチやパスタなどのオシャレなメニュー。

カフェとは、もともとはフランス語で「コーヒー」を表す言葉でした。それが転じて、コーヒーを始めとして飲食物を提供するお店となったのです。

カフェの特徴

一般的にイメージされているカフェの特徴を以下にまとめました。

営業形態

  • ・開放的なバックヤードとテイクアウトカウンターがある
  • ・インターネットカフェなど特殊な業態のお店もある

規模

  • ・チェーン店なども多い
  • ・比較的大きな店舗

内装

  • ・見た目がおしゃれ
  • ・欧米文化を意識し、明るく開放的

メニュー

  • ・コーヒーを中心に、ソフトドリンクとスイーツや軽食が食べられる
  • ・「カフェごはん」「カフェめし」などと呼ばれるワンプレートや丼ものもある
  • ・玄米や有機野菜を使い、素材にこだわったオーガニックカフェなども
  • ・お店によってはお酒も提供しているところがある

機材・備品

  • ・コーヒーマシン、エスプレッソマシン
  • ・製氷機、ジューサーミキサー、ガスレンジ、オーブンレンジ、炊飯器
  • ・シンク、作業台、食器棚

カフェの最も大きな特徴は、内装がアメリカなどの欧米文化を意識して、オシャレで明るく開放的なことです。また、メニューや機材・備品は一例ですが、カフェでは「ここでしか飲めない・食べられない」という、見た目も内容もこだわりの一品メニューが用意されているケースが多く、メニューだけでなく椅子などの設備も個性的で印象に残りやすいものを揃えています。立地や名称など、各所でオシャレ感を重視しており、店員の格好や立ち居振る舞い、接客対応なども含めて、お店全体で雰囲気を作り出しています。

喫茶店のイメージ

対して「喫茶店」という言葉から連想されるのは、以下のようなものではないでしょうか。

  • ・店内の照明がほの暗く、落ち着いた雰囲気である
  • ・どことなくレトロでノスタルジック
  • ・BGMはクラシックやバラード調のジャズ、歌謡曲など懐かしさを感じさせる曲
  • ・カウンター席とボックス席がある
  • ・食事が出る店では、ナポリタンやピラフなどの、昭和の洋食メニューがある

アンティークな家具で揃えられた落ち着く店内で、口数の少ないマスターがコーヒーサイフォンやネルドリップなどを使い、丁寧に淹れてくれたこだわりの一杯を味わえるという昔ながらのお店も多くみられます。

喫茶店の特徴

一般的にイメージされている喫茶店の特徴を以下にまとめました。

営業形態

  • ・カウンター席とボックス席があり、店主やウェイターが席まで運んでくれる
  • ・ジュークボックスやテーブル備え付けのゲームが残っているお店も

規模

  • ・個人経営のお店が多い
  • ・コーヒーや紅茶を専門に提供しているが、比較的小さな規模のお店

内装

  • ・落ち着いた雰囲気でアンティークな家具が多い
  • ・昭和レトロを意識し、ひっそりと静か

メニュー

  • ・コーヒーや紅茶を中心に、ソフトドリンクとお茶菓子が食べられる
  • ・サンドイッチなどの調理しない軽食を提供しているところもある
  • ・内装に合わせ、昭和レトロなメニューを提供しているところも
  • ・こだわりのコーヒーがお店の看板メニューであることが多い

機材・備品

  • ・コーヒーマシン、エスプレッソマシン
  • ・製氷機、ジューサーミキサー
  • ・シンク、作業台、食器棚

喫茶店の最も大きな特徴は、内装が落ち着いていてアンティーク調の家具などが多く、昭和レトロを思わせるようなしっとりとした雰囲気であることです。メニューや機材は一例ですが、食事メニューもナポリタンのように日本風にアレンジされた洋食メニューが多いのが特徴です。また、大衆的な喫茶店とコーヒーにこだわりを持つ喫茶店があり、前者は気軽に入れるお店として、後者はコーヒーの淹れ方や豆などにマスターのこだわりを感じられる、少し敷居の高いお店としての立ち位置で営業されています。

カフェと喫茶店にルール上の違いはある?

上記を見る限り「カフェ」と「喫茶店」には雰囲気などの違いでしかないようですし、どちらかを問われると明確に答えることのできないお店も実際に存在します。

ただ、営業区分を法律で見た場合、「カフェ」と「喫茶店」には大きな営業区分があります。それは、「飲食店営業」か「喫茶店営業」かという違いです。
営業区分上で見た場合、カフェは「飲食店営業」、喫茶店は「喫茶店営業」にあたります。

営業形態(許可)上の違い

「食品衛生法施行令第35条(営業の指定)」によると、「飲食店営業」と「喫茶店営業」はそれぞれ以下のように定められています。

飲食店営業

  • ・酒類の提供可能
  • ・調理全般可能

食品営業許可+飲食店営業の基準で申請が必要

喫茶店営業

  • ・酒類の提供不可
  • ・調理は基本的に不可

食品営業許可の申請のみ

つまり、法律上「飲食店営業」となるお店では、アルコール類の提供や調理が許可されているため、お酒やご飯の提供もできます。しかし、「喫茶店営業」になるとアルコール類はもちろんのこと、調理を必要とするご飯は提供できず、あくまでお茶菓子の提供のみとなります。

「喫茶店営業」のみであれば、建物を清潔にしていて衛生的に保管できる場所があり、給水や汚物処理がしっかり分けられている、などの基準を満たすだけで良いのですが、「飲食店営業」はこれに加えて「冷蔵設備」「洗浄設備」「給湯設備」「客席」「客用便所」などのやや厳格な設備要件を満たす必要があります。

しかし、これらの許可はあくまでも営業形態としてどちらを選ぶかという問題で、法令上の営業形態と店舗の名称には関係がありません。ですから、「喫茶店」という名称にしていても、「飲食店営業」の許可を取っていればお酒やご飯の提供をしても構わないのです。

開業時にどのように決める?

「飲食店営業」と「喫茶店営業」の違いは、店舗設備が少し厳密に決められていることによります。そこで、喫茶店として始めたけれどやっぱりご飯も提供したい、というときにすぐに変更できるよう、始めから「飲食店営業」の許可を取るのがおすすめです。「喫茶店営業」の設備で始めてから「飲食店営業」に変えるのは設備の増築などの改装が必要になりますが、逆なら簡単に変更できるからです。

カフェは明るく開放的、喫茶店はレトロで落ち着いた雰囲気

カフェと喫茶店の大きな違いは、「明るく開放的なカフェ」と「レトロで落ち着いた雰囲気の喫茶店」というイメージの違いです。しかし実際は、お店のカテゴリーではなく、とっている営業許可によって提供できるサービスに違いが生じます。

そのため、作りたいお店の雰囲気に合わせて名称を決め、許可はできるだけ「飲食店営業」を取っておくと、後からメニューの変更があっても柔軟に対応できておすすめです。

まとめ

以上、「カフェ」と「喫茶店」の定義についてまとめてみました。

一般的に利用者視点のイメージでは、雰囲気などで呼称を変えている印象が強い「カフェ」と「喫茶店」ですが、法律上の区分では、アルコール提供と食事で違いがあることがわかりました。

ですので、「カフェ」でも「喫茶店営業」であればアルコールや食事の提供は出来ませんし、逆に「喫茶店」でも「飲食店営業」であれば、アルコールも食事も提供できます。

ですので、世の中で言われている「喫茶店」でも、ナポリタンやモーニングなどの食事をメニューに置いたり、夜にはアルコールを出しているお店があります。
それは結局、出店時にどのような店舗として開業するかという出店時のコンセプトや意志、意向によるものだと思われます。

法律上の「飲食店営業」であれば、お店でお客様に提供するものは自由なので、コーヒーにこだわったお店にしたり、オシャレな「カフェめし」を提供するお店にしたりと選択肢の幅は広がります。

カフェ開業の際には、今回ご紹介した法律上の区分としての「カフェ(飲食店営業)」と「喫茶店(喫茶店営業)」、それぞれのメリットデメリットを念頭に検討いただければと思います。