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- 飲食業未経験でカフェ開業したい人必見!カフェ開業に必要な資金やポイントをチェックしよう
カフェを開業したいと思ったときに、飲食業や接客業が未経験だったり、もしくはアルバイトで働いた程度の経験しかなかったりすると、本当に自分にできるのかな?と不安になってしまいがちです。そこでここではカフェ開業に必要な知識やポイント、資金などをまとめました。未経験からカフェを開業したい人はぜひチェックしてみてくださいね。
目次
未経験でのカフェ開業について
飲食業未経験でも、前職が全く違う職業でも、カフェを開業することはできます。カフェの開業と運営には、料理や接客のスキル以外にも経理や宣伝・広告・スタッフの教育など、必要なことがたくさんあります。その中には、他業種・業界で経験してきたことが活かせる場面も多くあるはずです。
逆に言えば、飲食業界経験者と未経験者の一番の違いは「料理や接客のスキル」です。開業にはこれらを補う工夫が必要です。実際にアルバイトなどで働きに行くことや、講座・スクールを受講するなど、積極的に知識や経験を習得しておきましょう。
カフェ開業に資格・免許は必要?
カフェ開業のために必要な資格は「食品衛生責任者」です。店舗ごとに必ず一人、この資格を持つ人が必要ですが、必ずしも店長でなくても構いません。食品衛生責任者の資格を取得するためには、「食品衛生協会」が開催する講習を受ける必要があります。
食品衛生責任者の講習科目と時間数・費用
- ・衛生法規:2時間
- ・公衆衛生学:1時間
- ・食品衛生学:3時間(テスト含む)
費用:10,000円(教材費込み)
計6時間の講習とペーパーテストのみなので、1日で資格を取得することができます。持っていない人はカフェの開業前に取得しましょう。
調理師免許は必ずしも必要ではありません。しかし、持っている場合は「食品衛生責任者」の講習が免除となります。栄養士や製菓衛生士の資格でも同じように講習が免除となります。
収容人数(スタッフ+お客様)が30人以上になる規模のカフェの場合、「防火管理者」を置く必要もあります。これも講習だけで取得できる資格です。300㎡以上の店舗では甲種、300㎡未満の店舗では乙種の講習を受けましょう。
防火管理者の講習概要と時間数・費用
- ・甲種…防火管理の意義や制度、火気管理、防火管理に係る訓練及び教育など:約10時間、2日
- ・乙種…甲種の講習事項のうち、基礎的な知識及び技能:約5時間、1日
費用:甲種7,500円 乙種6,500円
カフェ開業のための経験・知識を身につけるには
カフェ開業のための経験や知識を身につけるには、以下の方法があります。
講座やスクールを受ける
【メリット】
- ・経営や料理、接客の知識をわかりやすく教えてもらえる
- ・昼間働きながら夜間に学ぶこともできる
【デメリット】
- ・実地経験は積めない
- ・費用がかかる(※講座・スクールによるが、数万円〜100万円程度)
実際にカフェで働く
【メリット】
- ・キッチンやホールなど、実際に営業しているお店の感覚を掴みやすい
- ・お店に必要なもののイメージや使い方を習得できる
- ・給与をもらいながら実地で経験を積むことができる
【デメリット】
- ・個人店、チェーン店ともに学べる内容に偏りがある
- ・売上やコスト管理など、経営部分は学びにくい
ただし、バイトやスクールはあくまでも開業前に知識や経験を得るためのものです。何年も続けるものではなく、「経営や経理」「マシンの使い方」「スタッフの動き方」「接客の工夫」など、学ぶことを絞って短期集中で勉強しましょう。具体的には、3ヶ月から半年程度のアルバイトをしながら講座を受講するなど、期間を決めて始めると良いでしょう。
UCCの開業サポート
UCCでは、コーヒー初心者から開業志望の方まで、誰もが楽しみながらコーヒーについて学べる「UCCコーヒーアカデミー」でセミナーを開催しています。
コーヒーアカデミーはこちら!また、カフェ開業や営業をさまざまなかたちでサポートしています。資金調達からお店のインテリア、人材教育などについてお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
カフェの開業にはコンセプトが大切!
個人経営のカフェで最も大切なのは、「このお店でしか味わえない」という強い独自性を持ったコンセプトです。飲食店やカフェはそもそも店舗数が多いため、「なんとなく」や「通りすがり」で入るのであれば、駅前などの便利な場所にあるチェーン店を利用してしまうのです。
しかし、「たくさんの本が自由に読めて、作品にちなんだ料理や飲物が味わえる」「動物と触れ合ったり、ペットを遊ばせたりしながらコーヒーが飲める」「料理や内装が個性的でフォトジェニックな雰囲気がある」などの強いコンセプトがあれば、「あのお店に行きたい」と思ってくれる目的性の高いお客様を呼ぶことができます。
「居心地がいい」「自分に合っている気がして好き」と思ってもらえれば、固定のファンを作ることができます。インパクトが強ければ、Twitterやインスタグラムなどで拡散効果も見込めます。コンセプトによって、立地やメニュー、内装、集客方法まで全てが決まると言っても過言ではないため、最初にはっきりとしたコンセプトを決めておくことが大切です。
コンセプトの作り方
コンセプトを作るためには、「どんなカフェを作りたいか」を具体的に思い描きましょう。なんとなくイメージが固まらないという人でも、カフェを開きたいと思ったからには自分のお気に入りのカフェがあるはずです。まずはお気に入りのカフェに行き、お店の成功しているところや失敗しているところを具体的に考えてみましょう。
具体的に考えるためのポイント
- ・どのような人に向けたカフェか(ターゲット層)
- ・どんなときに利用してもらいたいか(人数・頻度・時間帯)
- ・お店の強みは何か(独自性)
これらは全て、お店の個性を出し、チェーン店との差別化をはかるために重要なことです。「自分がやりたいこと」と「ターゲット層」をできるだけ近づけられるよう、色々なカフェを見て回ると良いでしょう。どんなカフェをどんな人が、どんな時に利用しているのかを知ることで、おのずと自分のやりたいことの方向性、すなわちお店のコンセプトもはっきりしてきます。
コンセプトシートを作ってみよう
コンセプトシートとは、頭の中に思い描いたコンセプトを文字として表現することで、考えをまとめたり新たな発想を生んだりする役割を持つものです。
- ・いつ
- ・どこで
- ・なぜ
- ・何を
- ・誰に
- ・いくらで
- ・どのように
この7つの項目について、自分の考えていることを書きだしていきましょう。頭の中に散らばっていた内容を文字におこすことで、よりコンセプトが明確になっていくはずです。
カフェの内装やメニューを決めるには?
コンセプトを決めたら、それに合わせて内装やメニューを決めていきましょう。例えば、健康志向を前面に押し出したカフェなら、内装も素朴で温かみのあるものが良いでしょう。あるいは、北欧系の雑貨をメインに置いたカフェなら、内装やメニューも北欧系で揃えましょう。
内装の決め方(例)
- ・コンセプトをもとに、インテリア販売サイトや似たコンセプトのカフェなどを見て検討する
- ・インテリアショップなどで実際に売っているものを見て回る
- ・スタッフや自分が動きやすい、掃除しやすい配置を考える
- ・お客様が「居心地がいい」と感じられる内装を心がける
メニューの決め方(例)
- ・コンセプトをもとに、ターゲットとなるお客様の需要を考えて決める
- ・コンセプトに近いレシピ本やレシピサイトなどを見て決める
- ・具体的な国のイメージがあれば、その国の料理を深く調べると良い
- ・季節によって提供するメニューを変えることも考える
どんなカフェでも、お客様がゆったりとくつろげる場所を目指すことに変わりはありません。コンセプトをもとにしながら、ターゲット層であるお客様が「居心地がいい」と感じてもらえるよう、また、お店全体としてコンセプトによる統一感を出せるような内装を選びましょう。そのためには、できるだけたくさんの同じようなコンセプトのサイトや店舗を見ることが大切です。
また、メニューも同じように、コンセプトをもとにたくさんのメニューを見たり料理を調べたりしてイメージを固めましょう。特に、個人経営のカフェでは必然的にお客様が固定化しやすいため、メニューを定期的に変えていく必要があります。季節やイベントによって特別なメニューを用意することで、目新しさや新鮮味を感じてもらうことができます。
カフェ開業のための資金について
最後に、具体的な資金についてご紹介します。カフェ開業の一般的な資金は、平均で500〜600万円と言われています。
内訳の一例
- ・物件取得費…120万円
- ・内装…40万円
- ・設備…200万円
- ・備品…30万円
- ・宣伝費…50万円
- ・運転資金…100万円
上記の一例は、家賃10万円(10坪程度)、設備や備品を一から揃える店舗として考えた場合です。店舗を契約する場合に必要な「物件取得費」には、家賃の10ヶ月分程度の保証金や礼金・仲介手数料などが含まれています。また、開業後しばらくは赤字でも経営していけるよう、1年程度の「運転資金」を用意しておく必要があるでしょう。
さらに、飲食店では定期的に食材を調達する資金も必要になります。お店のコンセプトや価格帯によって異なりますが、運転資金の中に当面の食材費も含んでおくといいでしょう。
費用を抑えるポイント
開業時には費用がかかることは避けられないとしても、できれば費用はできるだけ抑えたいものです。具体的には、以下のようなことに気をつけると費用を抑えやすくなります。
- ・居抜きなど、設備がもともと整っているお店を選ぶ
- ・一人で開業するのではなく、出資者を募ったり共同経営者と一緒に開業したりする
- ・備品や内装など、自分で作れるものは作る
- ・設備、備品を中古で購入する
最もコストを抑えやすいのは、「居抜き物件」を利用する方法です。居抜きとは、以前にその物件で開業していた内装や食器、設備などが残された店舗のこと。もともとカフェを経営していた店舗であれば、設備や備品をそのまま使うことができることが多いため、開業資金を大幅に抑えることができます。
また、一人で開業すると500〜600万円を一人で用意しなくてはなりませんが、二人で開業すれば一人あたり用意する金額は250〜300万円と、一気に敷居が低くなります。趣味や価値観が似ていて、同じようにカフェを開業したいと思っている友人・知人がいるなら、誘ってみるのも一つの手です。
開業のための助成金・補助金制度がある
カフェ開業者には、国や自治体から「助成金」や「補助金」を受けられる制度もあります。具体的には、以下のような制度があります。
助成金・補助金の一例
- ・創業補助金…個人や中小企業に対して、最大200万円の補助金が出る。利益に応じて返還する
- ・小規模事業者持続化補助金…経営計画書、実績報告書を提出する必要がある。最大50万円
- ・新・ものづくり補助金…革新的な取り組みに対し、700〜1,000万円の補助金が出る
- ・軽減税率対策補助金…テイクアウトやデリバリーを行うカフェで複数税率に対応するための補助が出る
この他にも、開業後にスタッフを正社員として雇うことで支給される「キャリアアップ助成金」などもあります。しかし、いずれの制度もあくまでも開業後に審査を通った後で支給されるものですので、開業前にもらえるわけではないことに注意が必要です。応募から支給までに時間を要する場合があるため、補助金や助成金だけを当てにして開業することはできないのです。なお、詳細については、所在地の自治体や中小企業支援機関等にお問い合わせいただくことをおすすめします。
まとめ
未経験からでもカフェを開業することはできますが、そのためには講座やスクール、競合店の調査など知識や経験を積極的に吸収する姿勢が大切です。また、実地での経験を得るためにあえて期間を決めてアルバイトをしてみるのもおすすめです。
また、個人経営のカフェでは「このお店に来たい!」と思ってもらえる独自のコンセプトが要です。ぜひ、「やりたいこと」をつきつめて、あなただけの個性的なカフェのファンを作りましょう。